トレッキング

トレッキングのおすすめ行動食を徹底解説!

2019年1月11日(金)

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トレッキング中の「行動食」は、平地で暮らしている私達が楽しんで食べている「おやつ」とは、ちょっと違います。きちんと行動するためのエネルギーは、主食だけでは補えないと考えて下さい。
山語で「シャリバテ」という言葉があります。はて?何でしょうか。
そんな話を中心に体験談を交えながら、分かりやすくまとめてみました。

プロローグ ~真夏のシャリバテ体験談~

若い頃に、真夏の渓流をイワナの姿を追って山の奥へと、急峻な沢を釣り登りました。
自分的には、いつもの事でありましたので、軽食しか携帯していませんでした。
口に入るものはジャムバターパンとコーラだけ。
いつもの渓流釣りよりも時間も距離も少しオーバーしていました。
夕暮れまでに車に戻らなければ・・・
中間地点位まで下りてきたときに「体が変だぞ!」体がフラつき、足のあちこちが痙攣している。
体全体に力が入らなくなってきたぞ!何度も転びそうになりながら、やっとの思いで車に辿り着き、実感しました。

「とりあえず助かったな」

数日後に登山を趣味としている知人にその話をしたら、
「あ~それね、シャリバテだな。登山では、糖質やタンパク質・脂質・ビタミン・ナトリウムなどは主食以外にも補給しながら行動しないと、エネルギー不足になり体がへばってしまう事なんだよ」とのこと。

なるほどなるほど、反省しましたね。自然相手に行動するということは、
自分自身がそれなりの知識を持ち自分の行動に責任を持たなければいけないのだということを!
そんな反省を元に、誰でもトレッキングや登山に持っていける食品の栄養素やカロリーなどを、
「おやつ」的な感覚で紹介しましょう♪

「シャリバテ」とは?

シャリ=人の体力を維持するために口から取り入れる食品や飲料(エネルギー)
バテ =エネルギーの不足による全身の倦怠感や筋肉痛など
※シャリバテによる思考力の低下も、事故につながる重要な注意ポイントです。

本文の専門的な部分は、友人の管理栄養士さんからアドバイスをいただき文の作成をしています。

行動食の仲間たち

代表的な行動食を選んでみましたが、簡単に言うと軽くてかさばらずカロリーの高い物が中心となります。
甘いものが多いですね、糖質はカロリーが高く、すぐにエネルギーとして体に取り込めますよ。
普段は体重コントロールしているあなたも山では大いに甘い物を食べて下さい。koudoushoku

「山太り」=登山をして体重が軽くなったと思ったら逆に少し太ること。
山登りをする人はそれだけ山に負けない位のエネルギーを摂取していますよ。

大切な糖質(炭水化物)

甘いものはカロリ―が高くエネルギーに代わるのが早い栄養素です。
その中でもラムネは主原料がブドウ糖で一番早くエネルギーとして体に取り込まれやすく、クエン酸ビタミンも配合されていますよ。昔懐かしいあの味、必ず駄菓子屋さんの店先の台には並んでいましたよね。
クエン酸のスッキリ感がなんともいえません!

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次のおすすめは、カントリーマアム、チョコレート、黒糖、羊羹などの糖質のスペシャリスト!
個人的には、何時もお供にしている糖質はカントリーマアムなんです。
糖類にはすぐにエネルギーに変わる単糖類腹持ちのよい多糖類とあるそうで、カントリーマアムはこの両方の糖を兼ね備えているんですね。
小分けできるのもメリット、バニラ味とココア味と両方味わえるのが好きです。
期間限定品で時々変わった味のカントリーマアムが店頭に並ぶのも楽しみですね。
ただし収納の空間を作ってあげないと押しつぶされてバラバラになりますのでご注意!

人気のチョコレートは、ビタミンE・カルシウム・マグネシウムも含んでいて脳の活性を助ける優れものですが、溶けやすいのが難点。溶けにくい焼きチョコがありますが、種類が少なくお気に入りがなかなか見つかりません。
個人的に好きなのは、スニッカーズですね、ブラックサンダーも良いですが、スニッカーズのキャラメルの溶けだした甘さと栄養価(脂質)の高いピーナッツがお気に入りです。

チョコレートの高温時の携帯方法

凍らせて持ち運びOKの「アクエリアス」がポイントになります。凍らせたアクエリアスと一緒にチョコレ―トをジッパー付きの袋に入れて携帯すれば、チョコレートは溶けにくくなります。もちろんバックパックの中でも人間の体温が伝わりにくい側にいれておけばOKですよ!

黒糖も見逃せませんね。その独特の甘さの中には、ミネラルビタミン類が含まれており白糖に勝る栄養価の高さが売りです。それから忘れてはいけないのが和菓子代表の羊羹です。糖質は十分、あの柔らかい食感もうれしい…(とらやの羊羹か!)美味しいですね、種類の多い井村屋か迷いますね。
ここで紹介したいのはスティック状の塩羊羹。ちょっと油断すると触れた物全てをベトベトにしてしまう感覚は嫌なものですが、スティック状ならチュッと絞り出しながらお口の中へ、塩羊羹だけに他の羊羹よりもナトリウムも豊富ですね、

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脂質は重要なエネルギー源

脂質は即効性の糖質と比べるとエネルギーに変わるのに時間がかかりますが、重要な栄養素となります。
この脂質が高配合されているのが山の人気者、ナッツ類。そして脂質などを体への吸収を促進されることのできるフルーツも忘れてはいけませんね。

ナッツ類は脂質が高く、少量で栄養価もミネラルも摂れます。ナッツ類はそれぞれに栄養価が微妙に違うので好き嫌いせずにミックスにしましょう。
日持ちするのも良いですね。フルーツはお手軽なバナナを選ぶ人もいますが、重量、かさばり、日持ちを考えると、ドライフルーツが定番になります。
実はフルーツはドライにしてもビタミン豊富で、栄養価はそんなにも低下しないんですよ!

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「くるみ黒糖」はかなりの優れもの!

くるみには糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が多く含まれております。糖質とミネラルが豊富な黒糖が、くるみの香ばしさとちょっとした渋みと絡み合い、味わい豊かで楽しませてくれます。

お楽しみタイム

さてさて!ご自分の好みで購入してきたナッツやドライフルーツを、自分の好みで配合します。簡単ですよ!お気に入りのナッツやドライフルーツを多めに、それ以外は少し抑えつつ交互にボトルへと投入していきます。自分で配合したものは見る目も楽しませてくれます。

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※ドライフルーツは種類によっては、べとつく物があるので、ご注意。一緒に入れたら大変な事に!

ボトル(容器)について

透明なキャップ式のボトルを使うのが定番になりつつあります。
口の広いボトルが主流みたいですが、これだと直接ナッツ類を口に入れる時にたくさん出すぎる事があります。
口の外にこぼれてしまったり、「ゴボッ」となってしまったりします。
山では中々手を洗うことができません、衛生的に口に入れるには、ボトルから直接口へ、となる訳です。
でも、その度ボトル口を付けていると、これまた不衛生です。
なるべくコソコソっと口にいれる為に、ボトル口は小さめの物をつかっています。この辺は個人の好みですので、参考までに。

アウトドア専門店に行くとカラフルでたくさんのボトルが並んでいますが、値段が高い。
これも個人の好みですが、私が使用しているボトル(※写真のボトル)は100均で購入しましたよ

行動食ボトルの携帯方法

太陽の日差しがある時には、紫外線にさらされると特に脂質の高いナッツ類の酸化が進み、食用に適しなくなることがあります。(ポテトチップスが薄いアルミ箔状の袋に入っているのも、紫外線が入るのを防いでいるそうです。)また、カラビナ等でボトルをぶら下げていると、藪漕ぎで引っ掛けたり、岩にぶつけたり、危ないですよね。行動食ボトルはサイドポケットへ入れるか、バックパックの取り出しやすい場所に収納するのがベストです。

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人気の行動食「ゼリー」

最近ではゼリーを行動食として愛用している登山者が増えているようですね。栄養分も味も多彩で、多くの種類のゼリー系の物が販売されています。成分的には脂質はほとんど含まれていませんが、ビタミンの割合の多い物、糖質の高い物など、味も含めて自分の好みでチョイスできるのもうれしいです。食欲が落ちてきた時などは、その喉越しの良さでスンナリと体に入ってくれますよ。
デメリットと言えば、重さかな?中身は栄養素の他は水分ですので、いくつも持って行けるものではありません。他の行動食のように同行のメンバーと分け合ってワイワイ楽しみながら栄養補給できる「おやつ」にはなりませんね。しかしながら、ゼリーはとにかくバランスが良いので、一つ位はバックパックに入れておけば安心です。

筋肉痛にオススメ!愛用しているゼリーについて

長時間の登山では、時として登山中でも下山後でも筋肉痛に悩まされる事があります。コンプレッションタイツ、サポートタイツを愛用していますが、効果としては納得いくものが、中々見つかりませんでした。そんな時、登山用品のショップで見つけたのがアミノバイタル
アミノ酸が豊富に含まれており、筋肉に必要な成分「BCAA」が効果的に摂取できる優れものです。何種類かあるアミノバイタルはアミノ酸の配合割合がそれぞれに違い、エネルギー成分の高い物もありますので、自分に合った製品が選びましょう。登山中の筋肉痛への効果は、確かに感じる事できました。(個人差はあるようですが)ゼリーはチョット苦手!という方には、顆粒スティックタイプのアミノバイタルもありますよ!
アミノバイタルを筋肉痛に悩んでいる友人にすすめたら効果があったようですが、調子にのって飲みすぎたようでお腹がゆるくなってしまったとの事、なんでも飲みすぎには注意して下さいね!

その他、登山の定番と言えば何といっても皆さんご存知のカロリーメイト。糖質・脂質が多く、タンパク質・ビタミンがバランス良く配合されています。非常食として携帯する商品としては、価値の高い行動食と言えますね。また、意外な非常食としては、加糖れん乳(イチゴにかける甘~いチューブ入りのミルク)を甘党の私から推薦します。
最近では、マラソンや自転車競技、トライルランの選手の皆さんが愛用している、エナジージェルを携帯するトレッカーも増えているようですね。ジェルもゼリーに近い仲間ですが、ゼリーよりコンパクトな物が多く、携帯性に優れるのと栄養価が高いところがメリットでしょうか、

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昔からある行動食の定番

古くから山の行動食の定番と言えば、これらを忘れてはいけませんね。
魚肉ソーセージは、糖質と脂質がバランス良く含まれ、塩分やタンパク質も同時に補給することができます。
チーズはカロリーが高く、脂質やタンパク質、カルシウムや塩分も補給することができます。
この他に、煮卵・干芋・柿の種・お煎餅・かりんとう・梅干しなども十分に役立ってくれます。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。行動食はトレッキング中の主食以外の重要な栄養補給になります。
これを怠ると、筋肉や全身のバランスが崩れて疲労へとつながり、「つまずき」「転倒」「滑落」の原因にもなります。
脳の活性も低下しますので「道迷い」「危機回避」などの判断ミスも起こしやすくなりますね。
たかが「おやつ」といっても山では「無事に家に帰る」といった最終目的を達成する重要なポイントになります。
トレッキングの楽しみの一つ「山でおやつを食べる
ぜひ、この記事を参考にして、「楽しい」「美味しい」トレッキングを満喫してくださいね!

最後に、何事も「食べすぎ」「飲みすぎ」にご注意!
人の体は直ぐには消化吸収できませんし、体が疲れてくると胃腸の働きも疲れてきますから、休憩時間を利用してこまめに補給してあげて下さい。
くれぐれもお腹をビックリさせないようにお願いします。

栄養・水分補給は、お腹がすく前に・のどが渇く前に摂りましょう!

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