渓流釣り

信州・安曇野の渓流釣り

信州は北アルプスをはじめ、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳連峰、北信五岳などのいくつもの山々に囲まれ日本の尾根とも呼ばれる山岳地帯です。そこから流れ出る雪解け水や雨水、伏流水は幾千の枝沢となり渓流を流れ下り太平洋や日本海に注ぎ込まれます。山々の木々は広く信州を覆い長野県の約80%の面積が森林地帯となっており、自然豊かで風光明媚な地を造り上げています。

高山山岳地帯では、氷河期の頃に長年の地殻変動の中で海に降りることができずに、陸封されてしまった魚達がいました。
この陸封型のサケ科の魚を私達が渓流魚と呼ぶイワナやヤマメです。

特にイワナは幻の魚と呼ばれることもあり「深山幽谷の妖精」とも呼ばれています。ヤマメはそのパーマークの美しさから「渓谷の女王」とも言われます。

イワナ

山岳地帯を流れ下る渓流で育つイワナ・ヤマメ・アマゴを渓流魚と呼び、レインボートラウト・ブラウントラウト・イワナに近いカワマス(アメリカイワナ)は渓流魚とは別種と考え、信州安曇野Outdoorsではイワナ・ヤマメを中心に紹介していきたいと思います。日本に住むイワナは大別して、ニッコウイワナとヤマトイワナ、信州にはこの両方のイワナが生息しています。信州のイワナの棲み分けについては、魚類学の多くの学者や水産関係者が研究していますが、ざっくり説明しますと、千曲川水系、犀川水系、姫川水系などの日本海側に流れ込む河川の上流部には「ニッコウイワナ」。木曽川水系、天竜川水系などの太平洋側に流れ込む河川の上流部には、「ヤマトイワナ」が生息しているとのことです。ヤマメとアマゴについては、体側朱赤点が無いものを「ヤマメ」、体側朱赤点の有るものを「アマゴ」と一般的には呼ばれていますが、イワナよりも下流域を棲家にするため放流事業が盛んで、どれくらい在来ヤマメの純血種が生き残っているのか不明です。
イワナの養殖事業はヤマメより遅いのですが、ヤマメと同様に生息数が少なくなっている河川を中心に放流事業が行われています。

釣り人の人口増加、山岳道路の開発、森林の荒廃、山崩れとそれによる土石流の発生、河川への毒物混入、昨今では見かけなくなりましたが電気や薬物による違法な漁などイワナにとっての環境は厳しいものがあります。氷河の時代から脈々と生き永らえてきた「イワナ・ヤマメ」。この素晴らしい渓流魚を未来に残すためにも、ルールやマナーを守り自然の豊かさを肌で感じながらゆったりした気分で楽しみたいものであります。

安曇野の渓流は、主に犀川水系を中心に北は姫川水系、南は木曽川水系に続きます。犀川水系では、北から高瀬川流域があります。大町市を中心に流れを集めるこの川は、北アルプスの槍ヶ岳周辺を最源流として、大町市北部の鹿島川、籠川と合流し大町市を流れ下り安曇野市明科で犀川に合流します。大町市南部から乳川、芦間川(松川村)、中房川(安曇野市)、穂高川(安曇野市)烏川(安曇野市)のいくつもの河川を集め穂高川として安曇野市明科で犀川に合流します。そして南からは穂高連峰、乗鞍岳周辺を再源流とした梓川が下り流れ、この梓川に木曽北部・塩尻市の奈良井川と松本市東部の美ヶ原から流れを集める薄川が松本市北部で合流し犀川となります。

安曇野に流れ込む河川の流量は十分に安曇野の大地を潤してくれる量であり、ここ安曇野はアルプスからの伏流水による名水が全国でも有名であります。

安曇野の渓流釣りでは、高瀬川流域と乳川、芦間川、中房川、烏川を中心に姫川流域、梓川流域、奈良井川流域についてご紹介をしていきたいと思いますが、私の40数年に及ぶ渓流釣り人生の中でも未だに説明しきれない魅力や渓流魚の不思議がたくさんあります。
それを一づつ紐解きご紹介し、渓流釣りの楽しみは釣るということだけではなく、この自然の中にひたりながら四季の変化を楽しみ、街の喧騒から逃れ静寂な森林と渓流の世界で竿を振る喜びをお伝えできればと思います。

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